イントロダクション
結局、α7IIIを購入しました。
α7IIを購入して1カ月程度で、α7IIIを購入しました。
少し前に、「フルサイズミラーレスデビューしました!α7II買いました!」という記事をアップしました。
【今更SONY α7II 購入しました!】α7IIを購入したのでレビューでもしていこうと思う【Panasonic G9(マイクロフォーサーズ機)との比較レビューだよ!】
私はもともとマイクロフォーサーズユーザでしたので、「フルサイズになったらきっと素晴らしい世界が待ってるんやろなあ!」と期待に胸を膨らませてα7IIライフを楽しもうとしていました。しかし、その期待は裏切られました。そのままの意味で。悪い方向で。
正直、マイクロフォーサーズのハイエンド機は素晴らしかった…
SONY α7IIは私には合わなかった。

α7IIは当時としては素晴らしいボディだったんだと思いますし、現代でもスチル機としてのコスパはとても高いと思います。1桁万円でフルサイズミラーレスが購入できるわけですからね。で、出てくる画自体は素晴らしい。
そう、出てくる画自体は良いんです!
さすがフルサイズで、マイクロフォーサーズに比べて夜間の高感度撮影に向きますし、ボケ具合が2段分違いということで、より立体感のある、被写体をクローズアップするような撮影に向き、「これはなかなか良いのでは!」というのは素直な感想です。
ただ、それ以外の点で不満が本当に多かった…
- 搭載されているけどMFT機と比べると効かない手振れ補正
- ジョイスティック無し
- タッチパネルでのAFエリア選択できない
- バッテリーのもちの悪さ
- シャッター音のイマイチさ / シャッターフィールのイマイチさ
- カスタムボタンの位置(なんで右手薬指のボタンっぽいトコロがレンズ外しボタンなん…)
- 映像素子に付着するセンサーダストの多さ
- 4K非対応の動画スペック
- データとしての画は綺麗でも、ボディのディスプレイがイマイチだからどうにもテンションがあがらない
- G9の方が圧倒的に綺麗に見える…なんなら、GX7MK3の方が綺麗に見える
- レンズが全体的に高い
などなど…
正直、出てくる画以外の部分では不満が多かったです。(α7IIユーザの方はヘイトが溜まる記述ばかりですみません…)
というわけで、私にはα7IIは合いませんでした。
やっぱりマイクロフォーサーズ(G9 PRO)最高!と思い、マウント出戻りしようと思った
もともと、マイクロフォーサーズを完全に手放してEマウントに移行するつもりではなかったのですが、もうなんかこんなに撮影体験が悪くなるんじゃあ…マイクロフォーサーズマウントオンリーに戻そうかなと思いました。
しかし、ここで思うわけです。
「でも、みんなSONYのα7シリーズが良いっていうよな…まだα7シリーズには私の知らない魅力が沢山あるのでは?いや、あるはず…!! 一番売れてるα7系のボディは…ここ2年くらいずっと売れ続けているα7IIIか!」
というわけで、SONY α7IIIを購入することにしました。
ただ、このボディもイマイチなのであれば、もうこの先5年はSONY Eマウントは採用しない勢いでいました。
結果。
SONY α7IIIはそれなりに満足のいくボディでした。売れる理由がよく分かります…!!
というわけで、前置きだけで1000文字以上書いている気がしますが、今回はα7IIIについて、モロモロ書いていこうと思います!
既にα7IIIのレビューなんて沢山あると思いますが、α7IIとの比較やG9との差に注目していきます
はい。もう世の中の皆さんがかなりα7IIIのレビューを書かれていると思います。いえ、書かれていますね。
というわけで、今回は主に他のボディとの比較というところにフォーカスして書いていこうかなと思います!
α7IIとどっちを選ぶか悩んでます…といった方や、マイクロフォーサーズハイエンド機からの移行を検討しています…!!といった方の参考になれば幸いです!
SONY α7IIIのスペック
スペックの観点はかなり多いかと思いますので、個人的に重要だよねと思う部分についてピックアップしてみました。一番右の列がα7IIIで、一応初代α7、買い替え元のα7IIのスペックも列挙しています。
α7 | α7II | α7III | |
新品価格 | 9.5万円前後 | 12万円前後 | 20万円前後 |
中古価格 | 6万円前後 | 8.5万円前後 | 18万円前後 |
撮像素子 | フルサイズ | ||
有効画素 | 約2430万画素 | 約2420万画素 | |
距点数 | 117点(位相差検出方式)/ 25点(コントラスト検出方式) | 693点(位相差検出方式)、425点(コントラスト検出方式) | |
液晶モニタードット数 | 921 600ドット | 1,228,800ドット | 921,600 ドット |
連続撮影速度 | 最高約5コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | |
質量 | 約416g | 約556g | 約565g |
動画 | フルHD/1920 x 1080(60p, 28M, PS) | 4K/3840 x 2160(30p, 100M) | |
バッテリー | ファインダー使用時:約270枚, 液晶モニター使用時:約340枚 | ファインダー使用時:約270枚, 液晶モニター使用時:約350枚 | ファインダー使用時:約610枚, 液晶モニター使用時:約710枚 |
ジョイスティック | なし | なし | あり |
タッチパネル | 対応 | ||
サイレントシャッター | なし | なし | あり |
手振れ補正 | なし | 4.5段 | 5.0段 |
メモリースロット | 1 | 1 | 2 |
基本的には、全ての面においてα7IIIはα7IIを大きくスペックで圧倒していますね。α7(初代)⇒α7IIでの進化はそこまで大きく無いですが、α7II⇒α7IIIでの進化はかなりデカイ。
何故ディスプレイだけスペックダウンしたのかは気になりますが…ただ、実際に現物を比べてみると、α7IIからα7IIIでディスプレイの見え方が悪くなったとは感じなかったです。ので、あまり気にしなくて良いと思います。
特筆すべき点を見ていくと、
- 測距点が大幅に増え、AF性能はググっとアップ!
- コチラは、体感でAF感が良くなっているなというのを感じます
- 動画性能が一気にモダンに!
- α7IIでは4K非対応…やはり結婚式でのフォトであったり、ここぞという時の撮影は4Kにしておきたいので、α7IIIでの4K対応はデカいです!
- しかし、α7IIIのスペックでも、4K30pですので、個人的にはまだ不満が…4K60pだと、多少のスローにも対応できるので嬉しい
- バッテリーの持ちが一気にアップ!
- 倍以上になってますw
- 体感ですが、本当に倍以上の電池の持ちの良さを感じます
- α7IIだと、予備バッテリーが無いととても1日の撮影は回らないですが、α7IIIならいける、ような体感です
- α7IIIでは、結構撮影してからバッテリー残量見るとまだ70%程度あったりして、安心感が全然違います!素晴らしい!
- 念願のジョイスティックの搭載(α7III)
- ジョイスティックはマストだと思うんです。やはり撮影時のストレスが全然違います
- 特に、α7IIではタッチフォーカスもできないし…ジョイスティックも付いてないし…で、もうストレスが半端なかったです
- タッチパネル対応(α7III)
- なんでSONYさんスマホ出してるのにα7IIの時点でタッチ非対応だったんですかね…?
- タッチフォーカスは、マイクロフォーサーズで出来ない機種は無いくらい(E-M5初代とかはダメですけど)、デフォルト機能なので、やっと搭載されたか…という感じ
- しかし、過度な期待はNGで、正直タッチへの追従性は悪いです。スライドすると、ワンテンポ遅れてタッチエリアがついてくる感じです
- デュアルSDスロット(α7III)
- やはり、スロットがデュアルであることはデカイです…
- 運よく、まだSDカードが壊れてデータをロストしてしまったことはないのですが、カードの差し忘れなんかは…ありますからね…
- 特にプロの方にとっては、デュアルスロットは運用上の大前提でしょう
こうして見てみると、α7IIIは「現代において必要と思われるスペックを兼ね揃えている隙の無いボディ」ですよね。これは売れて然るべきかなと納得です。
逆に、α7IIまではそこまで騒がれていなかったのも…納得です…(バッテリー問題、シングルスロット問題、フォーカス選択問題は本当に致命的)
SONY α7IIIの外観を見ていく
今回α7IIIを購入したわけですが、新品モノを購入しました。開封時の様子です。

流石新品。オーラが…良い感じです…!!
α7IIとα7IIIの比較の様子です。左がα7III、右がα7II。

グリップの形状なんかに違いが見られますが、それ以外はフロント側からは違いが見られないですね…
背面の様子はこんな感じです。新品だったので、傷が付いたら嫌だなと思い、すぐにラバープロテクターを着せてます。

ホントに、ジョイスティックは念願です…
下記はα7IIの背面の様子ですが、右手親指あたりのボタン配置は結構違いますね。

上部については、α7IIと殆ど同じように見えます。

α7IIでα7シリーズの操作感については慣れ始めていたので、右手親指部まわり以外については違和感は少なく移行できます。
いやしかし、本当にぱっと見の外観はα7IIIとα7IIで似てますね。ロゴが無いと分からないような…中身のスペックは全然違うんですけどね。

SONY α7IIIの良いところ/悪いところ
さて、色々とα7IIIとα7IIについて書いてきましたが、α7IIIの具体的にどこが良いか、どこがイマイチかという点について書いていこうと思います。
比較対象は、α7IIはもちろんのこと、私のマイクロフォーサーズでのメイン機であるPanasonic LUMIX G9 PROも加えようかと思います!恐らく、この記事を見られている方の多くはフルサイズにしか興味がないかと思いますが…
α7IIIの良いところ/悪いところ(α7IIとの比較)
α7IIIの良いところ(α7II)との比較
- ほぼすべてのスペックが圧倒的にアップしている
- スペック比較表で記載の通り
- AFエリアの選択、フォーカス面での楽さ、便利さ
- α7IIではフォーカス合わせが本当に面倒でした…暴れやすい十字キーで測距点合わせするのは結構ストレスでした…
- バッテリーの持ちの長さ最高!
- リアルに倍になっています。スペックシート上もそうですが、実態値としても倍程度になっている体感です。
- 静止画の画質が若干上がっている。特に低照度時
- 撮影していて思いましたが、やはり実際全然違うようです
- フジヤカメラさんの比較の様子がすごく分かりやすいです
- 撮影していて思いましたが、やはり実際全然違うようです
- 動画機としても使えるようになった!
- α7IIでは、スチル機に録画機能も付けたよ、という感じですが、α7IIIでは動画機能もしっかりアップグレードされていて使える印象
- シャッターフィールがGood!!
- α7IIでは、「バッシャーン」というようなシャッター音で、シャッター自体のフィーリングもなんだかバネ感が残っているような感触でしたが、α7IIIでは「カシャッ」というようなシャッター音になり、シャッター自体のフィーリングも良くなりました!(これは個人の感想)
- α7IIIは総合的に撮影体験として満足
- フォーカスエリアの選択であったり、シャッターフィールであったり、出てくる画の画質であったり、モロモロ「カメラが趣味です」マンの満足感を満たしてくれるのがα7IIIでした。個人の感想です
というわけで、α7IIIの全体的な満足度としてはとても高いなと思います。
α7IIIの悪いところ(α7II)との比較
もうひとえに「価格です」
- 価格差が倍。中古価格でも約8, 9万円の差がある…いきなりα7IIIを購入するハードル
- Eマウントがどんなものかな、ということでお試しで入ろうかなと思うには、α7IIIの価格は…高いです。中古で18万円程度でしょうか。(2021年3月時点)
- 人気が人気をよび、中古価格があまり下がっていません…
- 私自身がまさにそうで、Eマウントで使ってみたいレンズ(TAMRON 28-75mm F2.8)があったので、お試しとしてまずα7IIを購入しました。それでもこの2点セットで16万円程度。α7IIIをいきなり買うのであれば、25万円ですからね…
α7IIとの比較という観点では、α7IIIが劣る部分は価格以外にないのかなと思っています。
スペック上、ディスプレイがグレードダウンしているように見えますが、個人的にはほぼ同等かなという印象でした。
α7IIIの良いところ/悪いところ(Panasonic LUMIX G9 PROとの比較)
さて、今度はマイクロフォーサーズのスチルハイエンド機である、Panasonic LUMIX G9 PROと比較していこうと思います。
G9 PROは2021年3月現在、新品で13万円~、中古で8万円~といった価格感になっています。α7IIと同じ価格帯ですね。
なお、G9 PROについてのまとめページはまだ作成していないので、一旦公式リンクを貼っておきます。
α7IIIの良いところ(Panasonic LUMIX G9 PROとの比較)
- 流石にフルサイズ。画質はGood!!
- 当たり前ですが、画質はα7IIIの方が良いですね。α7IIの時は2台全く同じシーンを撮影して、ということをやってみましたが、日中ではそこまで差がなかった、という実情があります(等倍で見ても)。もちろん低照度は圧倒的でしたが
- α7III vs G9では、まったく同じシチュエーションでの取り比べは行っていませんが、↑の結果から
- 流石にフルサイズ。ボケ感はGood!!
- マイクロフォーサーズと比べて、フルサイズは同じF値だと2段分ぼけますから、さすがに表現力というか、「カメラで撮ってますよ」感は圧倒的ですよね。
- F2.8のレンズで、マイクロフォーサーズでF1.4と同じボケ感ですから、文句無しです…!!
- α7IIIの方がボディサイズがコンパクト
- G9はマイクロフォーサーズ界でも大きい方です…α7IIIの方がコンパクトという…
α7IIIの悪いところ(Panasonic LUMIX G9 PROとの比較)
「フルサイズのカメラなんだから、マイクロフォーサーズ(笑)に劣る部分なんてそんなないっしょw」と思っている方は多いかなと思いますが、どちらのボディも半年以上は使ってきての率直な感想として、「撮影体験はG9 PROの方が良い」ですね。私はG9が好きですが、出来るだけフラットに見たつもりです。
- センサーダストまみれ
- α7IIでも同じでしたが、マイクロフォーサーズでよく採用されているアンチダスト機構(SSWF)ではないことで、こんなにセンサーに汚れが付着するのか…と本当に驚きました。そして、失望しました。折角のレンズ交換式システムなのに、レンズ交換するのをためらいます。
- α7III/α7IIでは、外でレンズ交換をする、ということを3日でも続けていれば、落ちにくいセンサーダストが絶対に乗ってきます。結局、どんなに画質が良いカメラだったとしても、センサーダストが付いていれば意味がないです。(Photoshopで消せば?というのはその通りで、もちろん消します。ただ、それでオールOKという問題ではない)
- ちなみに、マイクロフォーサーズを5年間程使ってきていますが、センサーダストが載ったことはほぼありません。
- 手振れ補正がイマイチ
- スペック上は5段の手振れ補正ですが、G9と比べると「手振れ補正…あ、効いてる…?」といった印象です
- もちろん、手振れ補正無しのカメラと比べたらしっかり効いているんですが…マイクロフォーサーズハイエンドの手振れ補正がバケモノなだけですかね(E-M1 MarkIIなんかは本当にモンスター)
- 動画性能がG9より劣る
- G9と比べて、4K60pが撮れないであったり、動画フォーマットも乏しいといった点で、α7IIIの方が動画機能面では劣る印象です
- もちろん、α7IIIでも2021年現在では必要十分ではあります
- EVFや液晶のキレイさがイマイチ
- G9と比べて、各モニタのキレイさが…イマイチです…1世代以上前な感じです。
- α7IIIで撮影した写真は、PCに取り込んでみた時はもちろんとてもきれいなのですが、ボディ上でのディスプレイで見ると、G9の方が綺麗なんですよね…
- 他、液晶画面のリフレッシュレートが低いのか、動画撮影時になんかカタついて見えます…
- タッチ追従性の悪さ
- α7IIIでタッチ対応になったわけですが、イマイチ…タッチへの追従性がイマイチです
- Panasonicの他のボディたちは、タッチした瞬間そこに吸い付くような動きでとてもAFポイント選択がしやすいですが、α7IIIではワンテンポ遅れるような感じでイマイチです…
- メニューがタッチ非対応/なんかメニュー使いにくい
- α7SIIIなどではメニューが刷新されて解消されたようですが、α7IIIのメニューはなんかイマイチです。こうしたUIの弱さは多くのユーザから指摘されていますが、何故スマホも出しているのにこうした点を考慮できなかったんでしょうか…惜しいです…
結局、SONY α7IIIってどうなの?
色々と書いてきましたが、結局、α7IIIってどうなの?というトコロですよね。
個人的にα7IIIはアリアリのアリです!結構満足しています!
Eマウントフルサイズで、現実的にかけれるお金と、得られる性能のバランスが取れているのがα7IIIかなと思います。(α7IIでは、金銭面では良いのですが、不満足な点が多いです…実際、私はα7IIから入りましたが結局α7IIIに移行することになりましたし)
2021年時点において、スチルも動画も標準以上の機能を有したフルサイズミラーレスボディとなると、α7IIIしかないかな、というところです。(性能は良くても高すぎるボディが多いですよね…フルサイズミラーレスの世界は)
一方で、この金額を出すのであれば、マイクロフォーサーズハイエンドたち(G9PRO / E-M1 MarkII(かなりこなれた価格になってますね))のスペック(センサー以外の部分)と比べて劣っている部分もそこそこあり…(センサーが一番高いんだ!重要な部分だ!というのはごもっともです)
私は納得していますが、最高潮に大満足!とはいえないトコロです…(一番ショックだったのはセンサーダスト問題)
というところで、若干辛口めなレビューになっているような気はしますが、総じてα7IIIライフは満足しております!