はじめに
今回は、前回のGN125HフロントフォークO/Hの分解編に引き続き、組み立てをやっていきます。
今回の組み立て編では、前回の分解編であったいくつかの困難的なものはなく、淡々と組み上げていくだけですので結構楽です。
それではサクサクやっていきます。
フォークの組み立て
フォークオイルシールの交換
フロントフォークのオイル滲みの原因であるフォークシールを交換、というか前回外していますので組み付けですね、を行っていきます。
オイルシールは、中国製のものを使用するのはかなーり不安があったので、国産純正部品を取り寄せて使用することにしました。
GN125E用の部品でしたので、GN125Hに使用できるか若干不安でしたが、問題なく使用できました。
(※GN125-2Fなどでは使用できないケースがあったりするようですので、サイズを一応測っておくことをおススメします)
購入したオイルシールは下記のものです。
GN125(E)のフォークオイルシールの純正品番は51153-05300で、左右1つずつ計2個が必要になります。
色々と同時に購入したので幾らかは覚えていませんが…2個で1000円程度だったんじゃないかな、と思います。
後述しますが、今回はダストシールの代わりにフォークブーツを装着したので不要になってしまいましたが、ダストシールの国産純正品番は、51173-41603のようです。
結局使用しなかったのでちゃんと装着できるかどうかは未確認ですので、その点ご了承ください。
さて、上記オイルシールをフォークアウターチューブに打ち込んでいきます。
VTR250のフォークO/Hの時は、色々と組み付けてインナーチューブとアウターチューブを接続した後でオイルシール打ち込みを行った記憶があるのですが、GNの場合は先に打ち込みをしてしまって問題無いようだったのでこの段階で打ち込みをしました。
分解の段階で、スポッとインナーチューブが外せたんですよね。他の車種では、インナーとアウターを分解する際にインナーを引っ張ってその衝撃で少しずつ外していく感じだったんですがね…この点もVTRとGNで違いました。
オイルシールの打ち込みは、新品のオイルシールを下側にセットし、上側に古いオイルシールをセット、そのオイルシールをプラハンで叩いてアウターに打ち込んでいきました。

打ち込みは、ストッパリングの嵌めこみ溝がしっかり見えるまで打ち込みます。
無事打ち込みが完了したら、ストッパリングを溝に嵌めこみます。
こんな感じの打ち込み作業を、左右2回分行います。
フォークブーツ装着
さて、この後はインナーチューブを組み込んで、ダストシールを嵌めて組み立て完了!というのが通常の流れなんですが、今回はフォークブーツを装着することにしましたので、ダストシールは使用しません。
今回装着するフォークブーツは下記のものをチョイスしました。流用です。
GN125のフォークブーツは、中国から輸入したフォークブーツを使用するか、国産のものであればTW225/250のものを使用するというのがGN界の常識となっています。
が、中国から輸入したフォークブーツはゴムの品質が極めて悪いためNG。
TWのものはフォークブーツが長すぎていまいちなのでNG。
というわけで、新しい流用の可能性を求めて、今回はAPEのものを流用目的で購入してみました。
APEのフォーク径は31φ、GN125Hのフォーク径は32φということで、ギリギリ入らないのでは…?と思いましたが、まぁ駄目ならゴムを削ればいいやという軽い気持ちで人柱的に購入してみました。KIJIMAの製品で、3000円程度で購入することができます。
で、結果ですが、ジャストフィットでした。
ボトムケースに嵌める側は、もうGN125用なんじゃないかという位キツさ的にぴったりでした。
アッパー側は若干キツめではありますが、問題ないレベルです。
TWのものとは異なり長さが丁度良くて最高です。
ゴムの品質も良い意味で「普通」ですし、今後GN125にフォークブーツを装着しようと考えている方にはおススメの選択肢です。
フォーク組み立て
フォークを組み立てていきます。フォークソケットボルトを組み付けるため、今まで外した色々な部品を正しく組み付けていきます。
インナーチューブからスプリング付きのフォークシリンダーを入れ、オイルロックピースを先端に装着し、ボトムケースに入れます。
ボトムケースのエンド部分から、フォークソケットボルトを入れて固定しますが、その前にボルトのワッシャーは新品にしておきます。
こんなワッシャーを新品にしないばかりにフォークオイルが漏れてきた…なんていったら号泣です。
ワッシャーを新品にしたら、フォークソケットボルトを外した時と逆の手順で組み付けます。もちろん回り止めのための器具を使用します。
今気づきましたが、上の画像は回り止めの向きが逆っぽいですね。
フォークソケットボルトの締め付けトルクは…忘れました。結構なトルクで締めつける必要がありますが、オーバートルクしてボルトネジ切りなどの悲劇は起こさないようにいい感じにします。
これで一旦組み立てはおいておきます。
フォークオイル投入
最後に、フォークオイルを注入してフロントフォークオーバーホール作業は完了です。あと一息ですので頑張りましょう。
GN125のフォークオイル量は174ccです。私はメスシリンダーのようなものを持っていませんでしたので、一旦174cc測った水をペットボトルに入れ、目印を付けておき、その量を参考にフォークオイルを測りました。
フォークオイルを注入します。できるだけ気泡を入れないように静かに投入します。
フォークオイルを投入したら、何度かフォークをストロークさせ、空気がある程度抜けるのを待つため放置します。
ある程度時間がたったら、今度は油面調整をします。
油面調整は、メジャー1本あれば良いといえば良いんですが、この先の長いバイクメンテナンス人生を考えるとフォーク油面調整ツールは持っておいた方が良いかな…ということで購入しました。DAYTONAの2200円くらいのものです。
これを使用して、油面調整を行います。
GN125油面調整のトラップ1
サービスマニュアルによると、GN125の油面は375mmとのこと。
ん?375mm??長くね??え、DAYTONAの調整ツール300mmが上限なんだけどー!!
ということで、いい感じの径のゴムホースをこの油面調整ツールに接続して使用することにしました。
油面375mmのバイクって聞いたことないんですけど…(※ここ重要だったりする)
GN125油面調整のトラップ2
油面調整ツールの修正が終わり、今度こそ油面調整を行いました。
したんですけど…
フォークオイル吸いすぎじゃね!?!?という事象に遭遇しました。
おかしい…
フォークスプリングなど入れていない状態で、最圧の状態で油面を測ったはずなのに…規定オイル量入れたのに、シリンジがめちゃめちゃオイルを吸ってる!
い、いやでも、オイル量174cc、最圧時スプリング無で油面375mmってサービスマニュアルでちゃんと確認したもん!
しかし、全然オイル量と油面が合わない…
困り果てて、友人と2人、ネットの情報をもう一度見てみると、「フォークを最も伸ばした状態での油面が375mm」説が最も有力な様子。
なんだよ!!伸ばした状態で測定って!!
というわけで、どうやらGN125は一般のバイクの油面調整方法とは異なり、フォークを伸ばした状態で油面を測るようです。
色々ありましたが、この測り方で174ccのオイルを投入した所、概ね油面375mmになりました。
2018/1/4 追記
シュガーさんより、サービスマニュアルの「最圧時375mmは誤記。最圧時は166mmに合わせると良いよ」との情報を頂きました。最圧時166mmなら、一般的なオイルレベル調整ツールで計れる範囲ですし、これを目安にすると楽そうです。
最後の組み立て
フォークオイルの油面調整では色々ありましたが、これでオイル投入も完了ですので、最後の組み立て作業に入ります。
スプリングを入れます。
スプリングシート(ワッシャーのような部品)を入れます。
スペーサーを入れます。
トップキャップを締めます。
後は、元通りに車体に組み付ければ作業完了です!お疲れ様でした。
おわりに
GN125のフォークオーバーホールは、色々と困ったことが多かったです。大変でした…
もともとフォークオーバーホールは面倒な部類のメンテナンスですが、GNの場合はちゃんと下調べして作業開始した方が良いです。
はい。今回は以上です!
次回は、カスタムの方で、GNに現在装着しているアルミフェンダーを磨いて綺麗にしようぜ!という回です。下記記事となりますので、興味のある方はご覧ください。
https://tasokori.net/%e3%80%90%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%af%e3%80%91%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%92%e3%83%90%e3%83%95%e6%8e%9b%e3%81%91%e3%81%97%e3%81%a6%e9%8f%a1%e9%9d%a2/