レブルからのお下がりでZ1000フェイスがあった
いつか、ネタのためにレブルにZ1000ヘッドライトを取り付けていた。
ただ、レブルには他にイロイロなカスタムヘッドライトが控えていたため、個人的には結構気に入っていたアメリカン×Z1000顔をキャンセルすることになり…手元に1つZ1000フェイスが余ってしまったわけです。
さらにこのZ1000ヘッドライト、既にエメラルドグリーン×ブラックで塗り分けられており、最近グラディウスもそのカラーに塗装した分けで、きっとフィッティングした時に違和感が無くなるであろうという目算もある。
こうなったらもうグラディウスにZ1000ヘッドライトを取り付けるしかないよね、ないよなあ!!というわけで、今回作業をやっていきます。
なお、もちろんグラディウスのヘッドライト固定のためのステー位置などは絶望的に合うことは無く、なんならレブルよりも取り付けは大変でした。同じことやってみようかなと悩んでる方、そこそこのDIYスキルが要求されますのでご注意ください!
Z1000のヘッドライトをグラディウスに取り付ける!!
それでは、グラディウスにZ1000フェイスを取り付けていきます。
が、まずはどういうステーを作らないといけないのか、どうやってマウントするのかなどなどを考えるために、純正ヘッドライトを一旦外して、新しい顔をフィッティングしてみます。
ヘッドライトを取り外してZ1000ヘッドライトをフィッティングする
グラディウスは、ヘッドライトを取り外すのがかなり簡単なマシンになっています。他の部位もかなり脱着しやすくなっており、カスタム/メンテナンスマンには正直かなり嬉しい仕様です。
ヘッドライトを取り外すには、ライトアクセサリカバーを取り外す必要があります。
ライトカバーは片側1つずつのボルトで留まっているので、それを取り外したらカバーを手前に引けば簡単に取り外しができます。なお、ヘッドライト側のツメ溝と、カバーのツメが嵌合するタイプになっているので、脱着の際は方向にご注意ください。
カバーを取り外したら、今度はヘッドライト本体を外しにかかります。下記の写真では丁度隠れてしまっていますが…指で隠れているあたりにプラス頭兼六角ボルトで締められている箇所があるので、それを緩めます。下の写真ではプラスドライバーで緩めています。あまりトルクがかかる場所では無いので大丈夫ですが、10mmのスパナなどで外した方が安心です。
左右のライトカバー、および、ヘッドライト固定ボルトを外したら、下図のようにヘッドライトを手前に引くことで外すことができます。ヘッドライト下部は、ステーの溝に丁度ハマるカタチになっていますので、下のあたりまでヘッドライトを倒したら、手前に引くとヘッドライトが外せます。が、その前に各ヘッドライトに繋がっている端子などを取り外さないといけないです。
さて、ヘッドライトが外せたら新しいヘッドライトを仮合わせしてみます。
うーむ…ギリギリ、いや、サイズ的にはジャストフィットしてる気がする…!!思ったよりも、純正メーターの位置がパツパツで、Z1000側にセンターカウルを取り付けた場合は収まらなくなる気がするので、メーターステーの調整が必要になるかもしれないっすね。
ともあれ、なんとかこのカウルを装着することはサイズ的には不可能でないことが判明しましたので、とりあえず良かったです。
で、実際にあてがってみて、Z1000側の純正ステーの位置と、グラディウスのヘッドライト上部の固定ボルトの穴は比較的距離が近かったので、大がかりではないステーを使用することで固定できそうです。
一方で、ヘッドライト下部のステーはかなり悩みモノです…まずライトが結構な重さがあるのでそれに耐えうる構造であることはマスト条件で、それをクリアしつつあまりステーを生やせる箇所が無いのをどうクリアするか…かなりの悩みどころです。
ちなみに、今回はこのライト下部の固定のために何度も何度もステーを作り直しています…やはりここが鬼門という最初のクサさは間違っていませんでした。
アタリを付けたのでヘッドライト支持用のステーを作る
さて、それではなんとなく作らないといけないステーのイメージがついたので、DIYタイムを始めます。
最初に考えたのは、グラディウスの純正ヘッドライト固定ステーを間借りして、そこにU字ボルトを引っ掛けるシステムです。というわけで、最初はU字ボルトの加工に入りました。(このシステムは後でボツになるんですが…)
また、そのU字ボルトとZ1000ヘッドライトをジョイントするための、そこそこ強度を持ったアルミアングルステーを調達し、穴あけしていきます。アルミアングルは2mm程度の厚みではあったものの、実際手にしてみるとこのアングルかなりの強度を持っていますので、加工性との兼ね合いでコチラを採用しました。
今までは、ヘッドライト下部側のステー作成でしたが、今度はヘッドライト上部のステーを作っていきます。
コチラは先ほども記載した通り、比較的Z1000側のヘッドライトステーとグラディウス側のヘッドライトステーの位置が近いので、簡単なステーでいけそうでした。家に転がっていたコの字ステーをカットすることで、2つの90度アングルステーとしました。
カットしたコの字ステー(L字アングルになった)は、下記のようにZ1000側ステーとジョイントしました。
最初に作っていた2つのステーたちは、下記のようにジョイントして、Z1000ヘッドライト下部を支える仕組みにしています。アルミアングルからボルトを生やし、それでヘッドライト下部を支えているのと同時に、アルミアングルのもう1辺側はステーを噛ましてU字ボルトに接続しています。このU字ボルトをグラディウス純正ヘッドライトステーに引っ掛けて、下方向の力に対する支えとするイメージです。
なかなか良いシステムにしたもんだと思ったのですが…実はNGでした、というのは少し後に分かります。
とりあえず、現状でフィッティング自体は出来るはずだということで、ヘッドライト及びDIYステーを持ち出してグラディウスに装着していきます。なお、ライト取り付け時にメーターが絶妙に邪魔でした…このメーターにも何度も泣かされました…あと1.5cm上にあれば文句なしだったんですが….
で、とりあえず組みつけるトコロまで上手くいきまして、こんな感じとなりました!
暗くてイマイチ分かりづらいかと思いますが…正直ぐうカッコいいっす…!!(主観)
なんですが、残念ながら今の仕組みはNGでした。理由としては、ヘッドライトを上方向に少し持ち上げる力をかけると、ライトが動いてしまうんですよね。それもそのはず、先ほどのU字ボルトの穴径とグラディウスの純正ヘッドライトステーの径があっていなかったため、そのスペーサーとしてゴムクッションを採用したのですが、そのクッションが悪さをして若干動いてしまうんですよね。ゴム以外のパーツを使用する(例えばアルミカラーなど)という方針にすれば回避は可能だと思うのですが、U字ステー側の径が結構ある(40mmくらい)で、グラディウスのライトステー側は10mm径程度なので、内径10mm/外径40mm的なカラーが必要となります。が、普通そんなサイズのカラーは売ってないですし、残念ながら旋盤も無いので自作することができず…
そんなに苦労しそうならそもそも思想を変えようぜ、ということで重たすぎる腰を上げて、ステーを作り直すことにしました。方針から。
絶望していても仕方が無いのでヘッドライト支持ステー別verを作る
まとめていると簡単に見えるこのステー作りトライアンドエラーですが、これ実際にやってるとなかなかシンドイんですよね…という泣き言はそこそこに、次のバージョンのステーを作ることにしました。
先ほどの「ゴムクッションを使用したことでヘッドライトが動いてしまう」問題を解消するのは比較的シンプルで、「クッション性を持つような素材を使わない」となります。
というわけで、ゴムクッションは噛まさずに、全体的に金属パーツのみで支持システムを構成することにします。グラディウスの下部には、純正ヘッドライトステーを固定するためのボルト穴がありますが、これを使用する(純正ステーを撤去する)と、今度はヘッドライト上部の固定システムが使用不可になってしまいますから、ここではない固定箇所を探します。
すると、残る選択肢はほぼ無くて、フォーククランプ部の片側2つあるボルトのウチ、どちらかから拝借するしかないか、となります。今回もそれしかないよねということで、フォーククランプボルトの下部側から固定ステーを生やすことにしました。
そこに、下記のような2mm厚の鉄ステーを噛ませることにします。鉄で2mmだと強度は問題ないでしょう。Z1000ヘッドライトもグラディウス純正ライトと比べれば重いですが、それでも2,3kg程度です。
下記ステーをそのまま使用…は難しくて、少し加工して穴位置をずらす/広げるとしないと、グラディウスのフォークガードとブツかってしまうんですよね。というわけで、やはり加工することにします。ステーの穴横をカットし、穴をオープン化します。
さて、今度はさらに別のステーを作っていきます。上記のステーでヘッドライト左右方向に対してのズレはまずあり得ないですが、しかしとはいえ重力方向には多少の強度懸念があったので(私はグラディウス400を長距離ツーリング機と位置付けているので、文句なしの強度にしたい)、さらなる補強のために重力方向サポートステーを作っていきます。
具体的には、グラディウス純正ヘッドライトステーに引っ掛ける(遊び無しに)ようなステーを作り、それを先ほど加工した鉄ステーと接続するイメージです。これで重力方向も、横方向も、完全なる固定システムとなること間違いなし!
そのような思想で、やはりアルミのアングルステーになるのですが、穴を4箇所(片側で2か所)開けて、2つの謎ステーを作成していきます。
これでステー作り直しはOKのはず…!!最初に作成したアルミアングルステー(Z1000側のマウント)と上手く連結して、今度こそヘッドライトを取り付けます。
先ほど作っていた新verのヘッドライトステーは下記のようにして使用します。最初に加工していた鉄ステーと、次に加工していたアルミアングルステーを、アルミスペーサーを経由して締結します。アルミスペーサーを使用したのは、純粋に高さ調節のためですね。最初からアルミアングルステーをその高さに合ったものを購入しておければよかったのですが…
このワンオフステーの別アングルの様子がコチラ。黒いステー(開口しているヤツ)が、フォーククランプボルトと共締めする部分です。
このステーを下記のような感じで固定していきます。まずはグラディウス純正ヘッドライトステーの穴を通しておきます。アルミステー側は絶妙な穴径で、ジャストフィットしました!
で、フォーククランプボルトと共締めしたら、アルミスペーサー経由で2種類のステーを締結します。
両側を取り付けるとこんな感じ。手前に出っ張っている黒いL字ステーの穴に、Z1000ヘッドライト側のアルミアングルステーを連結します。
取付も地味に大変でしたし、高さ調節(アルミスペーサー)もかなーりシビアでした…何種類かのスペーサーを試して、絶妙な位置になるモノをチョイスしました。家にスペーサーがたくさんあってよかった…
ヘッドライトを挿し込む時に、どうしてもメーターが邪魔で入らなかったので、ステーを緩めて稼働するようにしておきました。最後まで絶妙に邪魔してくる純正メーター。
ヘッドライト下部側の高さ調整がシビアだった、というのはこの上側のステー位置との兼ね合いもあります。下側都合だけでヘッドライトを固定してしまうと、上部の固定穴位置が上手い位置にこないんですよね。それはそうだろという感じですが。
なお、上部のヘッドライト固定ステーには、クリップナットを仕込みました。これで、グラディウス純正ヘッドライトと全く同じマウント方法となります。ボルトを挿して回すだけ(ナット不要)。
これで何度かリトライしたヘッドライト固定システムが完成しました…!!
拘りに拘りぬいたヘッドライト強度ですが…結果は完璧で、前回のような変なグラつきはありません!かなり強固に固定されています。
で、ここまでの作業結果は下記のようになります。正直…手前味噌過ぎますが、ぐうカッコええ…!!
ヘッドライト点灯時(HI点灯の4灯時)はこんな感じ。ヘッドライトの高さも絶妙で、メーターのかわしも絶妙になってますね。絶妙というか、ギリギリのギリ…
ただし!残念ながら、純正ウインカーとZ1000ヘッドライトカウルが干渉してしまっています。丁度ウインカーに隠れてみえませんが、ウインカーの根本がカウルにしっかり当たってしまっています。(ちなみに知ってはいたもののこの時無理して取り付けたので、塗装が剥げました…最悪や…)
このウインカー干渉の回避のためには、Z1000ヘッドライトをもう少しだけ前方に出せば解決するのですが、そうなると今度はメーターに干渉してしまいます。カウル上部が今の位置じゃないと絶対収まりません。
というわけで、グラディウス純正ウインカーを採用する方針は捨てて、Z1000純正のウインカーを採用する方針に変更しようと思います。
Z1000ウインカーベース&ウインカー取付で完成!!
ここからは完全にZ1000ヘッドライト側の作業になります。パーツリストなどもずっとカワサキのものを見ていました。ウインカーを生やすためのウインカーベースと、ウインカー本体を調達しておきました。
ここで、ウインカーベースはどうしてもヤフオクなどで見つからず…結構長い間粘っていたのですが全く出品されませんでした。というわけで、お値段が高いのは覚悟のうえでカワサキ純正品を取り寄せてみたのですが、これが意外と安くて、左右合わせて1000円程度でした。こんなことなら最初から純正品を発注しておけばよかったです…
一方のウインカー本体の方ですが、コチラはヤフオクで多少の出品が見られたのですが、絶妙に手を出すか悩む価格設定でして(送料込みで5000円くらい)、二の足を踏んでいたのですが、年式によってはNinja1000用のモノが適合するらしく、Ninja1000のウインカーとして検索していたら、配線はカットされてしまってるが2000円台(送料合わせると3000円くらい)というものがありましたので、購入しました。どうせ配線は加工しないといけないですからね。カプラ合わないですし。
直接スズキ用のカプラを生やすようにしてしまっても良かったのですが、長さがギリ足りないような感じだったので、スズキ用カプラ変換ハーネス+ギボシ加工ウインカーの組み合わせとしました。
後は、ウインカーベースを嵌めこむために一旦カウルをばらして…
ウインカーをベースに組み込んで…
ヘッドライトユニットが完成です!やっぱりZ1000純正で揃えただけあって、完璧な仕上がりですね。カッコいいぞ!
そんなこんなで、完成しました!グラディウス400へのZ1000ヘッドライトまわり移植!!グラディウス純正では、ヘッドライト形状や他のカウルの曲線美が相まって、少し可愛らしい、穏やかな印象が醸し出されていましたが、Z1000ヘッドライトになったとたんに攻撃的な印象へと変わりました。
グラディウス純正は「スポーツネイキッド」的な雰囲気でしたが、Z1000顔になると「ストファイ」って感じが強まったかなと思います。
ここで、「じゃあZ1000買えよ!」的な感想を抱く方も居るかもしれませんが、私はグラディウスのモロモロのスペックをとても気に入っています。
- 400ccであること(今は大型免許もってますが、少し前までは400ccまでしか乗れなかった)
- Vツインであること(4気筒も良いですが、この熟成されたスズキのお家芸ともいえるエンジンがかなり好き)
- 燃費が良いこと(ロングツーリングするので、リッター30km/L近くじゃないと…)
- メンテナンスがしやすいこと(グラディウスは見かけによらずメンテナーフレンドリーです)
などなど、「顔はZ1000が良いな」と思いつつ、しかしイコール「Z1000が至高!!Z1000に乗りたい!!」ってわけじゃ無いんですよね。
軸足はグラディウスが気に入っていて、見た目だけ変更したかった勢なので、今回こんな感じのカスタムをしてみました。
他にも、同じストファイですから、例えばMT-09などのアノ異形顔なんかも似合うだろうなと思いますし、ストリートトリプルのような出目金顔(最近のモデルは洗練されててかなりカッコいい…!!)も良いなと思います。
もしも実現された方がいらっしゃいましたら、是非コメント下さい!
というところで、長くなりましたが今回は以上になります!
なお、今回の内容はYoutube動画にもしていて、途中で起きたトラブルシューティングなども細かに載せておりますので、興味のある方は是非ご覧ください!