【バイク】なぜ二輪車の高速料金が高いのかNEXCOさんに実際に聞いてみた。

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はじめに

今回は、なぜ二輪車の高速料金が高い( = 軽自動車と同じ)のかが気になったので、実際にNEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)さんに問い合わせて聞いてみたよ!という話題です。(2018年8月時点の記事です)

バイク乗りの皆さん!思いますよね!「車の半分の車輪数だし、重さに関して言えば1/4位なのに…なんで軽自動車と同じ料金なんだよ!」と。

割高だよ!高速料金!

はい。というわけで、その理由をNEXCOさんに直接問い合わせてみたよ!というのが今回の記事です。

記事の最後の方には、この問題を取り巻く最近の動向や、署名活動などについて書いていますので、興味のある方、現状の料金体制を変えたい方は是非ご覧ください。

Google検索したら公式のQAが!しかし内容がどうも気になってしまい…

ふと、「そういえば何でバイクの高速料金って軽自動車と同じなんだろう…すごい割高じゃんね…」と思い理由をGoogle検索してみたところ、NEXCO中日本さんのページに既にQAが書いてありました。(こちらのページです)

「流石NEXCOさん。既に公式ページで堂々とこの問いへの回答を用意しているとは。」

もちろん即効で内容を拝見させて頂きましたよ!

しかし、その内容がどうも難しい言葉を多用していて、消費者を煙に巻いているような文言なのが気になりました。

また、その内容に則るのであれば、何故軽自動車と普通自動車は別料金なのか…など新たな疑問が。

逆に気になってしまい…NEXCOさんに問い合わせて確認してみよー、となった次第であります。

問い合わせてみた。そのやり取りの内容がこちら。

まずは、気になった点、「軽自動車と普通自動車は料金が別なのに、何故二輪は別料金にしないのか」を聞いてみることにしました。

1. 私からNEXCOさんへの問い合わせ

ほぼ文面そのままで、下記のような問い合わせを行ってみました。

「二輪自動車と軽自動車の利用料金について」、というページを拝見しました。
ここで、
(1)「原因者負担の考え方」
(2)「占有者負担の考え方」
(3)「受益者負担の考え方」の考え方を総合的に勘案すると、両者が高速道路を利用することによる負担の割合は、他の車両との比較上では同程度と考え…

とありました。
一見妥当な回答に見えましたが、それでは「軽自動車」と、「普通乗用自動車」の利用料金に差があるのは何故なのでしょうか?

普通乗用自動車と軽自動車が別料金とする方の根拠に則るのであれば、やはり二輪車には別料金区分を儲けるのが妥当なのではないでしょうか?

あんまり長いとアレですし、純粋に疑問をぶつけてみました。

わくわくです。どんな回答が帰ってくるのか!もしかしたらQAのコピペが待っているかも…などと考えていました。

2. NEXCOさんからの回答がきた!

テンプレ回答が来るかと思っていましたが…意外とちゃんとした回答がきました。嬉しいです!

内容は下記の通りでした。

お客さまよりいただいた件につきまして、お答えいたします。

高速道路料金は、車種間の負担の公平を図る観点から、国の有識者会議の答申に基づき現行の5車種区分としております。
本来は車両ごとの重量・大きさ・用途等に応じて定めることが理想的ですが、仮に全ての車両ごとに料金を定めた場合は、料金や車種の判別が非常に繁雑となり、料金をいただくために必要とする時間が増加することなどにより、高速道路の利便性が損なわれ、お客さまにご迷惑をおかけすることに繋がります。
これらを踏まえたうえで他の車種も含めた全体の車種間の負担の公平を損ねないことを前提とし、下記(1)(2)(3)の考え方を総合的に勘案のうえ一定の区分に分類することとし、現行の5車種区分としております。

(1)「原因者負担の考え方」
車両の大きさ、重量及び沿道への影響等の違いが、高速道路の建設費・管理費等の費用に与える影響を分析し、その影響の度合いに応じ、高速道路に係る費用を各車種が分担し合う考え方
(2)「占有者負担の考え方」
車両の長さ、速度及び安全のために必要とする前後のスペース等の車両が高速道路を空間的・時間的に占有する度合いに応じ、高速道路に係る費用を各車種が分担し合う考え方
(3)「受益者負担の考え方」
高速道路を走行することによって得られる便益(他の道路を利用する場合に比べて得られる時間及び走行経費の節約分)に応じ、高速道路に係る費用を各車種が分担し合う考え方

上記(1)(2)(3)の考え方を総合的に勘案した場合、二輪自動車と軽自動車(二輪自動車を除く)は、他の車種も含めた観点からは同程度と考えられることから、同一の最も安い車種区分としております。

おおー…ちゃんとした回答です!!ありがとうございます。NEXCO中日本さん。

要約すると大体下記の通りですよね。

  • 国の有識者会議の答申に基づいた5車種区分が決まっている
    • 車両のサイズでもっとキメ細やかに料金設定するのが理想だが、それは困難であるため、この中で最も安い軽自動車の料金としている
  • 上記前提のもと、「原因者負担」、「占有者負担」、「受益者負担」の3つの考え方を考慮した結果、二輪車は軽自動車と同程度(の料金)と考えられる

だそうです。

なるほど。前半の5車種区分が決まっている、については、まあ、いや、変えてくれよ感がハンパないですが、決めの問題ですので仕方がないかもしれません。(誰か偉い人が決めてしまったので)

というわけで、個人的なモヤモヤの落としどころとしては、「5車種区分が決まっていて、その中で最も安い区分に設定している」から、まあ高い価格設定にはなっていない、という所で消化することにしました。

しかし!!

やはり後半については納得がいかないんですよね…論理的でないというか…

(2)占有者負担の考え方について。これは納得です。

(2)占有者負担の考え方は、バイクにも当てはまるとは思います。

度及び安全のために必要とする前後のスペース等の車両が高速道路を空間的・時間的に占有する度合い

は、確かにバイクでも軽自動車でも同じになるかと。(車と比べれば、バイクの全長は短いですが、他の車との車間距離を含めた占有スペースとしては確かに納得できるので(私としては))

(1)原因者負担の考え方について。これは超疑問です。

車両の大きさ、重量及び沿道への影響等の違いが、高速道路の建設費・管理費等の費用に与える影響を分析し、その影響の度合いに応じ、高速道路に係る費用を各車種が分担し合う考え方

ええと、バイクの大きさ重量って車と比べたら相当に小さいと思うんですよね…

路面に与えるダメージという点で、軽自動車とバイクで比較したら全然異なるかと思います。

どのようなフィルターを噛ましたら軽自動車とバイクが同程度という結果になるのか…疑問です。

受益者負担の考え方について。これも疑問です。

高速道路を走行することによって得られる便益(他の道路を利用する場合に比べて得られる時間及び走行経費の節約分)に応じ、高速道路に係る費用を各車種が分担し合う考え方

便益に寄与するであろう観点として、「人の移動」と「物の移動」の2つから見ていくと、

が、軽自動車って最大4人乗車可能なのに対し、バイクは最大2人乗車ですし、積載性も全然違いますよね。

時間的便益は同じかもしれませんが、結果移動する物資的観点の便益は果たして同じと見なして良いのでしょうか…?個人的には疑問です。

NEXCOさんの回答内容の気になる点について、もう一度だけ問い合わせてみた

NEXCOさんからは、丁寧な返信を頂けました。

その内容は、納得できるところはありましたが…やはりどうしても腑に落ちない点があります…

ということで、NEXCOさんが提示する3つの考え方のうちの、1と3についてフォーカスした質問の問い合わせを行わせて頂きました。

1. 再度私からNEXCOさんに問い合わせ

この度は、丁寧な回答を頂きまして、ありがとうございました。

貴社回答の、
「高速道路料金は、車種間の負担の公平を図る観点から、国の有識者会議の答申に基づき現行の5車種区分としております。」
について、これをベースにしているので軽自動車と2輪自動車は最も安い価格帯となる、という点には納得します。

しかし、やはりHPに載っている回答(貴社返信メールの後半)については、明らかに正しくないと思います。

(中略…ここに3つの考え方について書いています)

ここで、2については理解できます。(2輪は自動車より幅、全長は短いが、走行時の車間距離などを考慮すると占有スペースは同程度と見なすのは理解できます)

しかし、1については、
「車両の大きさ、重量及び沿道への影響等の違い」が軽自動車と2輪で同じと判定した根拠が不明です。具体的には何を指しているのでしょうか?
(2輪は軽自動車と比較して1/5程度の重量です)

また、3については、最大乗車人数2人の2輪と、最大乗車人数4人の軽自動車が、同一の利益を得ているでしょうか?
乗車人数以外にも、荷物の運搬性等、明らかに2輪と軽自動車で同一ではありません。

今回の問い合わせ内容は、後半の貴社が掲げている根拠の1,3の妥当性に関する問い合わせです。

具体的にどのような判断軸なのか、回答を宜しくお願い致します。

3つの考え方の、1と3について、具体的にどのようなロジックにて軽自動車とバイクが同じと判定したのかを教えて欲しいとの問い合わせです。

「いや、だから最初の5区分の話で完結してるんだからもう問い合わせとかやめなよ」

って思う方も居ると思います。

その通りではあるんですが、であれば、3つの考え方、なんていうのを公式QAに載せないで欲しいです。その考え方に則るのであれば、じゃあやっぱりバイクって軽自動車よりも料金が安くて然るべきだよね?となりますよね。

まあとにかく、NEXCOさんの回答を待ちます!

2. NEXCOさんから再問い合わせの返答がきた!

さて、やはり2日程度でNEXCOさんから回答のメールが来ました。その時の内容は概ね下記の通りです。

前回ご回答させていただいた内容と重複する内容もあり恐縮ではございますが、高速道路料金は、車種間の負担の公平を図る観点から、国の有識者会議の答申に基づき、1、原因者負担、2、占有者負担、3、受益者負担の各考え方を総合的に勘案するとともに、併せて円滑に料金をいただくことができる範囲内において一定の区分で分類することとし、現行の5車種区分としています。

ご指摘のとおり、二輪車と軽自動車では、車両の大きさ、重量、平均乗車人員等に違いはありますが、上記1~3の各考え方を総合的に考慮の上、全体の他の車種も含めた比較の観点からは、両者が高速道路を利用することによる負担の割合は比較的同程度と分類されることから、同一の最も安い車種区分としています。

うーん…

今回は特に、1と3の分類ロジックについて詳しく、ということを強調して問い合わせを行ったつもりだったのですが、その点には深く突っ込まず、表面的な内容が帰ってきました。

というか、今回問い合わせの内容について、対となるような真の意味での「回答」にはなっていません。

担当者レベルでは、引き出せる内容はここまでということでしょう。

まとめ、と、これから

まとめ

というわけで、今回はNEXCOさんに「何故バイクの料金は軽自動車と同じなのか(=割高なのか)」を実際に問い合わせてみた、という記事でした。

今回拾えた、私の最も納得の行く回答としては、

「車両の5区分が有識者によって決められており、バイクはその中でも最も安い区分に属している」

でした。一応最も安いんだからとりあえず我慢しろよって感じですかね。

いやしかし、この5区分の根拠についてはいまいち納得が…このあたりについては、偉い人も全く同じ発言をされているようで、情報ソースはこちら

これから

さて。今回の記事は以上ですが…最近、2輪の高速料金引き下げについて動きが見られるようです。

2018年3月末には、自民党二輪問題プロジェクトチームの逢沢一郎議員が、「バイクの高速料金は軽自動車の5/8をターゲットとする」旨の発言をされています。情報ソースはこちら

他にも、バイクの高速料金低減のための署名活動なども始まっているようです。こちらが参考になります。

署名は、現状2万人以上の方がされているようで、もちろん私も署名してきました!

このように、2輪の高速料金の妥当性について動きがあります。これからの動向に注目したいですね!

今回は以上です。

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