[2024/02/03更新]外れない/固いボルト(ナット)の外しかた。5つのポイント!!

今回は、固着、又は、錆びなどでとても固くなってしまったボルト/ネジの外し方についてまとめてみます。

プラス頭のなべネジなどは対象外で、今回は六角頭のボルトやキャップボルト等が対象です。(共通する所も多いですが)

この記事では、まだボルト/ネジ頭が生きている場合を想定しています。既になめてしまったネジ/ボルトの外し方については下記記事にまとまっています。

[2022/9月更新]なめたネジ/ボルトの外しかた!9つの戦略とポイントについて詳しく書いていきます!

外し方の基本方針としては、当たり前ですが「力を掛けて回す」です。

ただし、何も考えずに力だけ掛けて回したら…舐めるかボルト頭がねじ切れて終わります…

できるだけリスク少なく、外しやすくするためのポイントを5つにまとめています。1, 2は準備編、3以降は実際に回す作業でのポイントです。

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外れない/固いボルト外しの「ポイント5つ」

工具は精度高めのもので!スパナはダメ!

まず、これは絶対守らないといけないことですが…

スパナは絶対ダメ!あと、モンキーレンチもダメ!

です。絶対にメガネレンチやソケットを使用しましょう。スパナを使用すると舐めます

また、相手が特殊な形状のボルトで入手性が低い場合は、できるだけネジ頭にダメージを与えないよう、より精度の高い工具で挑むべきでしょう。(もちろん、そうでない場合でも精度は高い方が良いですが)

有名な精度が高い工具メーカーとしては下記のようなメーカーがありますので、工具を選ぶ際は参考になさってください。

  • Snap-on(スナップオン)
  • MAC Tools(マックツールズ)
  • FACOM(ファコム)
  • KNIPEX(クニペックス)
  • KTC(京都機械工具)

レンチの柄は長いものを使用する

ボルトを回そうとする時、回転中心から近ければ近いほど多くの力を必要とします。回転中心から遠ければ、少ない力でボルトを回すことができます

というわけで、使用するメガネレンチなどは、できるだけ柄が長い物を使用しましょう。私は下記のSK11のスピンナハンドルを長さ違いで2本保有しています。500mm程度の柄があれば、100N・mそこそこのトルクがかかっているボルト/ナット部でも外すことができます。(購入時は差込角にご注意下さい)

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そこまで高くない割に、このパーツ1つでかなり高トルクボルトの取り外しが楽になりますので、一家に1つ備えておくと安心できます。

もし、柄が短いものしかないのであれば、メガネレンチ同士を連結したり、鉄パイプなどで延長したりし、長さを稼ぐようにしましょう。

ハンマーでボルトを叩く

ここからは、実際に回す時のポイントです。

ボルト頭を、釘を打つようにハンマーで叩きます

詳しく説明はできませんが…とりあえず、溝間の固着を剥がすためのおまじないです。特に、ずっと外していなかったようなボルト/ナット部の取り外し時にはかなり効果があります。

侮ることなかれ、このハンマー戦法はかなり効果があります

硬いけれど…そこまで固着がひどくないボルトは、このハンマー叩きで結構な確率で外れやすくなります。

潤滑剤を使う

潤滑スプレーをボルトとナットに吹きかけます。ボルトとナットの隙間を出来るだけ狙っていきます。

潤滑スプレーとは、最も普及している製品ですと呉工業のCRC5-56ですね。こういったもので、ボルトの回りを良くさせます。

通常は、CRCで充分だと思いますが、もうどうしても外れない!!という場合は、グレードの高いものを購入すると良いです。

呉さんのスーパー5-56がCRC5-56の上位モデルとなっているため、下記製品を使用するとより効果があります。

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また、最も高い効果あると評価が高いのはWAKO’Sさんのラスぺネですので、こちらを使用するのも良いでしょう。(私はバイク整備中にどうしても外れないボルトがあったので、結局ラスペネを購入しました。効果は圧倒的だったのでおススメです!!)

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スーパー5-56で1000円弱、ラスぺネで2000円程(小さいサイズだと1500円程)と、潤滑スプレーの中ではかなりお高いですが、回らないボルトを外す為なら高くはないと思います

この潤滑剤を浸透させる方式ですが、十分に吹いて数分待ち、再度ボルトを回してみて、それでもまだ回らないようであれば、前項のハンマー叩きを再度行い、また潤滑剤を塗布する、という繰り返しがオススメです。

今まで何度も固いボルト/ナット(固着してしまってるようなヤツ)とバイクメンテナンス/レストアの中で出会ってきましたが、今までの経験で最も強かったボルトは、

  • ハンマー叩き法
  • 潤滑剤スプレー噴出
  • 外れない…
  • もう一回ハンマー叩き法
  • 潤滑剤スプレー噴出
  • 外れない…
  • 潤滑剤スプレーを死ぬほど吹きかけて一晩待つ
  • 次の日ハンマー叩き法と潤滑剤スプレーでやっと外れました…

ということもありました。とにかく、焦らずに回す以外の対策を行い、場合によっては一日寝かすという手もあります。

最悪なのは、焦ってしまってボルト頭にダメージを加えてしまい、舐めてしまうことです。一般的なボルト/ナットの場合は舐めにくいですが六角のエッジの部分にダメージが入ってしまうこともあります。なべネジ(プラスドライバーで外すやつ)なんかは、本当に簡単に舐めてしまいますので、このように何度か試してみて、それでもダメだったらそれでも焦らずに一晩 潤滑剤に漬けておく、というのは有効な戦法です

回す時はレンチがズレないように気を付ける

いざ回す時に、回転させる方向にのみ力を掛けるのは結構危ないです

少しずつレンチがボルトから抜ける方向にズレていってしまうことがあるからです。片手でレンチを押さえつつ回すか、友人に手伝ってもらうと良いでしょう。

レンチがボルト頭から外れないよう押さえてもらったら、後はそれなりの気合いと度胸と危なさを感じ取る勘を持って回します。

バーナー等で熱を加える

エンジンとマフラーを締結している箇所のボルトが固着してしまっている場合に使えるのが、バーナー使用による熱を加える方法です。

エンジンはアルミであることが多く、対してボルトは鉄素材であることが多いため、熱膨張率の違いにより多少ボルトが緩みやすくなる効果があります。

使用できるシーンが限定的ではありますが、別素材を使用しているパーツでボルトが外れないといった場合には有効な対策です。

私が使用しているのは、下記の新富士バーナーのRZ840です。ホームセンターレベルで購入可能な最も火力が高い製品だったため購入しました。

ほか、同じく新富士バーナーの普及価格帯モデルがこちら。よくバイクのメンテナンスなどをDIYでされる方は、1つ持っておくといざという時に安心かもしれません。

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その他の対策

前項までで、中程度の硬さのボルト/ナットたちは外れていくと思います。

が、古いバイクで固着しているような奴らは、まだ外れない可能性があります。その場合は、一旦冷静になって、ハンマー叩き法と潤滑スプレーの塗布を繰り返します

とにかく、焦ったら負けますので、気長にやっていく心構えが大事です

かなり強いボルトでも、3ターン位繰り返せば、大体外れます。

私が今まで出会った中で最も強かったボルトは、潤滑スプレーとハンマーのコンボを3回以上繰り返しましたがダメで、半ば諦めながらもボルト/ナットをCRC漬けにして一晩寝かせてやっと外れた、という奴がいました。

とにかく、焦ってボルト頭を舐めるのが最悪なケースですので、焦らずにいきましょう。

バイク屋さんにメンテナンス依頼ついでにさり気なくお願いしてみる

VTRのエキパイバンドが完全に焼き付いてしまって外れなかった時、バイク屋さんにお願いしたことがあります。その時は、ETC取り付けだかを依頼していたんですが、そのついでにお願いしてみました。

結果、かなり苦戦されていましたがなんとか外して頂けました。舐めた後に持ち込むよりかは賢い選択かと思います。

冷凍庫で冷却してから外す

一旦冷凍庫に部品を入れたり、冷却スプレーを使用して、素材の熱膨張率の違いに注目してボルトを外す、なども一定の効果があります。(ただし、対象パーツに依ります)

友人が試していましたが、これがめちゃめちゃ効果があったようです。

上記の各項目を試してみてだめだった場合は、冷却による金属の膨張/縮小方式はかなり効果があるのでオススメです!

おわりに

今回は、固くて外れないボルトの外し方についての記事でした。

特に私はバイク整備(古いマシンが多い)をやっている時によく出くわします…本当に外れないボルトというものに…

そうした時は、とにかく回そう外そうと焦るのではなく、冷静に今回書いた内容を試してみてください。

また、1度だけではなく何度も繰り返し、根気よく試すことが大事です。焦ったら負けです!!

というところで、今回は以上です!

なめてしまったネジ/ボルトのはずし方はこちらにまとまっています。

[2022/9月更新]なめたネジ/ボルトの外しかた!9つの戦略とポイントについて詳しく書いていきます!

そもそも、外れないボルトを生み出す前に対策をしておくという手はかなり有効です。

高トルク過ぎるところは一旦緩めて規定トルクで自分で締めなおす、や、熱が原因で固着してしまいそうな場所にはスレッドコンパウンドなどで事前にかじり防止処置を行っておく…などの予防ですね。

具体的な内容は下記の記事にまとまっております。

ネジやボルトをなめないために…!ネジやボルト(ナット)がなめる原因と9つの事前対策ポイントをまとめてみました!

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