はじめに
みなさん、こんにちは!
今回は、エストレヤメンテナンスの話です。
妹のエストレヤが今年に入ってから不調のようです…
症状としては、「アイドリングが不安定」で「停止するとエンジンが止まりそうになる(止まったこともある)」という具合の様子。
ちなみに、エストレヤの上記症状の最もありがちな原因としては、バルブクリアランス狂いがあります。
が、タペット調整は半年前に一度している(とはいえ、調整がガバガバ(シックネスゲージがあんまり種類無くて…)だったのでもしかしたらまだここが原因ということもあり得ますが)ため、今回はそれ以外の原因と対策を考えてみます。
妹曰く、「ここ最近3週間くらいエンジンかけなかった」、「その後始動性が悪くなってアイドリングが不安定になった」とのこと。
というわけで、暫くエンジンかけなかったから、キャブのスロージェットが詰まり気味になって微妙に不調になってきたんじゃないかという仮説をたて、その対策として今回キャブ清掃をしようと思い至ったわけです。
ちなみに、アイドリングが不安定とか始動性が悪いくなった、の原因は他にもたくさんあります…
が、とりあえず一番くさそうな(背景を鑑みると)ところを潰していこうかなというところです。
というわけで、早速やっていきますよ!
ちなみに、今回はキャブのオーバーホールではなく、あくまで清掃(ジェットの)です。ので、キャブは外さずに回転させてフロートチャンバーを開けて…という横着スタイルでやります。
キャブレターまわりの部品を外す
前述のとおり、今回はキャブは車体から外さず、回転させてフロートチャンバー外す作戦でいきます。まずはキャブを回転させるのに邪魔な部品を外していきます。
まずは、車体左側です。コックがONになっていることを確認します。(負圧なので、ONにしておけばガソリンは自然には垂れないです)
次に、コックからキャブに伸びているホースを外します。ここはフューエルラインですので、外すとちょっとガソリンが出ます。注意です。
今度は車体右側です。3個の丸部が外すものです。
中央上の丸部にあるホースは外します。これは負圧ホースだったはずです。
中央から右下部にあるバンドを外します。プラスネジです。
中央から左部にあるプラスネジを外します。アクセルワイヤーを固定している金具を外します。
ここまで外すと、ほぼキャブ回しに邪魔なものは無くなったはずです。
このままフロートチャンバーを開け…るとガソリンが結構出てくるので、先に排出しておきます。
キャブ底部に突起がありますので、そこにホースなどを接続、その先に受け皿を用意した状態で、突起すぐ近くのプラスネジを緩めます。
すると、フロートチャンバーに溜まっているガソリンを輩出することができます。
あと、キャブヒーター?と思しきものの配線が邪魔なので、こちらも取り外します。
軽くキャブを傾けた状態にして、キャブ底部のネジを外します。他、ギボシ端子がつながっていると思いますが、それも外します。
(ちなみにこのエストレヤは、最初からこの端子が接続されておらず…というか端子部がボロッカスになって外れてました…)
ここまでの作業を行えば、キャブを回転させることができるはずです。まだ駄目そうであれば無理せず邪魔なものを確認して外してください。
ふう。これでフロートチャンバーを外せるようになりました。
キャブ底部の4本のプラスネジを外します。ちなみにここ、とても重要なネジですので、サイズの合ったドライバーでしっかり舐めないように注意して緩めていきます。あと、古い車体だと結構固くなっているケースが多いです..
すべてのネジを外すと、キャブ底部の部分が外せるようになります。ぱかっとね。
やはりここは2代目エストレヤ。かなり年季入ってますねー…フロートの見た目が…
ジェット類を清掃する
さて、これでやっとジェット類と対面することができました。これからジェット類を清掃していきます。
今回怪しいと踏んでいるのは、赤丸の左上の方のスロージェットです。写真では直接は見えませんが、この穴の奥をのぞき込むとジェットがはまっています。赤丸の右下の方はメインジェットです。
そもそもこのジェットってなんだよ、というと、フロートチャンバー(さっき4本のネジで外した蓋の部分)にたまっているガソリンが通る道です。
この道を通って、キャブの上の方というかキャブの中央のところというか、で、エアークリーナーから入ってきた空気と混ざりあい混合気になるという感じです。
スロージェットというのは、アイドリング~アクセル開度が低い間のガソリン噴出に影響のあるジェットです。メインジェットはアクセル開度が大きい間のガソリン噴出に影響のあるジェットです。今回の不調は、アイドリング付近でおきるため、スロージェットが怪しいです。
というわけで、このジェットが詰まるともちろんバイクは不調になります。古いバイクでは、このジェットが詰まりがちだったりします。
なんで詰まるねん!って思うかもしれません。が、ジェットってとても穴径が小さいんですよ。針よりも穴が狭いかなーどうかなーくらいです。
で、長らくバイクを放置しておくと、ガソリンが変質して穴のまわりにすこしずつ付着して…穴を塞いでしまったりするんですねこれあ。放置バイクがエンジンかからない原因の7割はキャブですね。このジェットの詰まりです。
長くなりました。
というわけで。スロージェットを重点的に清掃します。清掃するためにスロージェットを外します。
径のあったマイナスドライバーで外します。ジェットは、比較的やわらかい金属(真鍮?)が使用されているため、ドライバーで雑に扱うと容易に舐めます。舐めると本当に大変なのでここはまじめにやります。
外したスロージェットをひたすら掃除します。パーツクリーナーをびびるくらい穴という穴に吹き付けてやったり、非推奨ですが細い針的なものであなをつついてやったりして、とにかく綺麗にしてやりました。
うーん。肉眼ではちゃんと正円っぽく向こう側の光が見えているので大丈夫、なんじゃないでしょうか。
メインジェットも一応清掃しておきました。
さて、スロージェットの清掃も完了したのでキャブに組み付けます。
念のため、パイロットスクリューも規定値になるように締め込み&緩めて調整をしておきました。エストレヤは年式によってスクリュー戻し量が異なるようですのでご注意を。私はこちらの方のブログ記事を参考にさせて頂きました。
はい。後は元通りにキャブを組み立てて(という程部品も外していませんが)、キャブを回転させるために外した部品も元通りにすれば作業完了です!
ちなみに、本来はキャブのガスケットは交換しておくのが良いかと思いますが、私はさぼりました。はい。
作業後のインプレ
私が10分程度乗った感じだと、結構アイドリングは安定しましたね。ただ、たまにアイドリングの戻りが遅い時があり、これは別問題っぽいですね。2次エア吸ってる説が濃厚ですね…キャブ付近のインテーク切れ目とかちゃんと見てみようと思います。あと一度もあけていないエアクリーナーも、現状どうなっているか確認しないとです…
そのあと、妹がそれなりに試乗したようですが、以前よりかは不調が改善されたとのことでした。
最近のエストレヤはFI化されて、アイドリングもかなり安定するようですが、旧型のエストレヤは、アイドリングが安定しなかったり、最悪エンスト…なんていうのはもう持病ですねこれは。ネットでもその手の記事をめちゃめちゃ見かけます。
まあ、これはバイクの癖ということで、多めに見てあげる必要がありそうです。
エストレヤは、GN125程ではないですが、それに匹敵するくらい整備がしやすい(単気筒なら大体同じかとは思いますが)ので良いですね!
はい。ともあれ、今回は以上です!