はじめに
今回は、250TRのシート自作についての記事です。
前回、前々回の時にしれっとほぼ完成した状態のシートが登場していましたが、それの話です。
既製品のシートを車体に装着するようフィッティングする、でもよかったのですが、やはりより自分好みのスタイルを目指そう!ということで、シートもフレーム同様1から作ることにしました。
手順としては、
- シートベースのベースを作成
- シートベースのベースにFRP(ガラスクロス)を貼ってメス型を作成
- メス型の内側にFRPを貼り、本番用のシートベースを作る
- 塗装する
- シートスポンジを貼る
- シートレザーを貼る
という具合になります。
*FRPはガラスクロスをFRP樹脂で固めたものですが、この記事内では細かく区別せずFRPと表記しています。
はい。それでは早速やっていきます。
シートベースのベース(型)を作る
木材とアクリル板でベースの作成をする
さて、それではシートベースのベースを作っていきます。
FRPでシートベースは作る予定ですが、まずはFRPを貼るための土台を作らないといけません。
シートベースのベースは、比較的安価で強度もある木材を使うことにしました。木材は、アナログですがノコギリを使用してカットを行いました。ジグソー等があれば、それを使用するのが良いと思います。
テールカウル部は流線型を再現するため、木ではなくアクリル板を使用しました。
アクリル板は、いい感じの曲げを出すためにドライヤーで熱して納得のいくアールを再現…
したかったんですが、熱で加工しようとするとどうにも上手くいきませんでした…
ので、アクリル板は薄めのものを使用し、いい感じのアールが出た所で、木にビス留めしました。
こんな感じです。
ここまでで結構いい感じに見えますが、アクリル板に薄いものを使用したので、アクリル板がペコペコで強度が全然出ませんでした。
そこで、テールカウル部に2液性硬質発砲ウレタンを投入し、FRPが張れる程度の強度が出るようにしました。
どうでしょう!早速雰囲気出てきてますよね!
パテを塗って表面を平らにする
次に、全体に薄くパテを塗っていき、木の穴やアクリルとの継ぎ目を埋めていきます。
塗って削ってを繰り返し、全体が均一になったところでプラサフを吹きます。
プラサフを吹くと、目では見えなかった穴が発見できるので、そこをまた埋めて平らにします。
そうして完成したのが下の写真の状態です。
シートベースのメス型を作成する
剥離剤(洗濯のり)を塗る
穴や隙間をパテで埋めた後は、いよいよFRPを貼る準備です。
型に剥離剤(今回は洗濯のりを使いました)を塗り、FRPを貼った後に型から剥がれるようにしておきます。
型にくっついてしまうと剥がす際に型をダメにしてしまうので、何回も塗り重ねて塗り漏れがないようにします。
ガラスクロスを貼っていく
ガラスクロスは大きなシートで購入してますので、シートに合わせてカットしておきます。
型の周りに散らばっているのがカットした材料です。
FRP樹脂は2液性ですので、缶に載っている規定量通りに混ぜ合わせておきます。
型にFRP樹脂を塗り、ガラスクロスを置き、またFRP樹脂を塗っていきます。
この時に注意しなくてはならない点が何点かあります。
- FRP樹脂に入れる硬化剤の量は気温によって決まるので、必ずその日の気温に合わせた量を入れる
- 多少硬化剤が少なくても時間が経てば固まるので、少なめから様子を見るほうが良いかもしれません
- 混合後の液は空気に触れていないほど固まるので、なるべく空気に触れるような平らな皿に入れておく
- 手につくとあとあと大変なので、すぐ捨てられるビニール手袋をする
- すぐ捨てられるタイプを使って、樹脂が付いたらすぐ新しいものに交換するほうが良いです。樹脂が付いたまま施工すると、ガラスクロスが手にくっつき、せっかく貼ったクロスに引っかかって剥がれてしまうこともあります。なにより手にクロスがくっついてイライラします…
- 後からカットできるので、すこし大きめに貼る
- 一気に何枚も貼ると樹脂の反応でかなりの高温になるので、少しずつ貼る
- かなり高温になり驚きましたが…面倒だったのでそのまま貼ってしまいましたが…
塗っては貼るを繰り返すとこのような状態となります。
グラインダーでメス型の形を整える
この後完全硬化させ、いよいよ型から剥がしていきます。
これが型から剥がし、余分な部分をグラインダーで削った後のメス型の状態です。
固まったあとのFRPはかなり固いので、削る際はグラインダーがないと大変です。
そして、ついに、やっとメス型が完成しました!
シートベース本体を作成する
FRPを貼り重ねていく
シートベースを作るためのメス型がやっとできましたので、いよいよ本当のシートベースを作ります。
完成したメス型の内側に黒ゲルコートを塗り、FRP樹脂とガラスクロスを重ねて貼っていきます。
中に貼ったFRPは取り外さなくてはいけませんので、ここでもFRPを貼る前に、内側に剥離剤(洗濯のり)をまんべんなく塗っておいてください。
本番用シートベースにパテを塗って表面を整えていく
シートベースを取り外したら、またパテを塗っては削りを繰り返して表面を整えていきます。
その後はまたプラサフを吹いてパテの塗り漏れがないかチェックし、いよいよ塗装に移っていきます。
詳しい工程は省略しますが…
ドン!
塗装完了です!
おわりに
シートベース作成が完了し、後はシートスポンジ作成とシートレザー張りの工程となりました。
が…
ここまでやっておきながら、ちょっと他のシートを載せることにしようか悩んでおり、後続工程には進まずここで一旦止めることにしました。
はい。今回は以上です。
次回は、タイヤ交換とホイール塗装をやっていきます。下記記事になります。