カフェレーサーとは
私もGN125というバイクをカフェレーサーカスタムしています。
が、ここで、そういうえばカフェレーサーってどんなものだっけ、といったことを今一度振り返ってみようと思い、本記事を書き始めました。
見た目や定義に関する所から、どんな車両がカスタムベースとして向いているのか、どんな点に気をつけてカスタムを進めれば良いのか、という内容を書いていきます。。
外観
バイクのカスタムスタイルの1つで、下記のような見た目のバイクを指します。
Wikipediaの説明
Googleで「カフェレーサー」と検索すると一番にヒットするみんなの辞書、Wikipediaによると、
カフェレーサー(Cafe Racer)とはオートバイの改造思想、手法の一つである。イギリスのロッカーズ達が行きつけのカフェで、自分のオートバイを自慢し、公道でレースをするために「速く、カッコ良く」との趣旨で改造したことに端を発する
だそうです。
1960年代、夜のカフェにやんちゃな若者たちが集まり毎夜レースをしていて、できるだけ速く走るために自分のバイクに改造を施していき、その結果のスタイル(セパハン、アルミタンク、バックステップ、ナローなシートなど)を持つバイクを、現代ではカフェレーサーと呼んでいます。
カフェレーサーの定義を調べてみた
海外含め色々なサイトを探してみましたが、厳密な定義について言及しているものはありませんでした…
ありませんでした!では仕方がないので、ネットの様々な「カフェレーサー」と名付けられているバイクを洗って(できるだけ公式寄りで)、特徴を抽出してみます。
参考サイト
BikeExif(How To Build Caferacer)
カフェレーサーの特徴
部位別に
- ヘッドライト
- 丸目
- カウル
- カウルは装着されていないことが多い
- しかし、ハーフカウルが装着されていることもしばしば
- ハンドル
- セパハンが主流でタレ角がついているものが多い。ハンドル位置は低い
- セパハンについてまとめた記事はこちらです
- バーハンドルのものも極少数ある(でもやっぱりハンドル位置は低い)
- セパハンが主流でタレ角がついているものが多い。ハンドル位置は低い
- タンク
- 長くて細い
- 一部の車両を除いて、多くが社外のタンク(アルミやFRP)に変更されている
- シート
- 一人乗りのものが多い
- エンド部は丸みを帯びているデザインが多く、テールカウルが装着されているものも多い
- ステップ
- バックステップに変更されていることが多い
こんな感じでした。
もちろん、この枠に収まっていないとカフェレーサーじゃない、ということではありません。
多くのカフェレーサーと呼称される車両の傾向を(私個人のフィルターを通して)まとめたものですので、あくまで参考ということで。
カフェレーサーのベース車両
カフェレーサーに興味があって、カスタムしたいなぁ…と思っている方に、どんな機体がベース車両として選ばれているか、というのをまとめてみました。
こちらも、選ばれる傾向がある、というだけで、他の車両でもカフェレーサーにカスタムすることは可能です。
~400cc(中型バイク以下)
SR400/500
引用元:WM公式(http://www.wmpdt.co.jp/yamaha/sr/tank/tank.html)
クラシックスタイル、カフェレーサーといえばSRといっても過言ではない程にメジャーなベースとなっていますね。
純正タンクが既にカフェレーサーのような細めでロングな形状となっていますし、少しのモディファイでカフェレーサー感漂うマシンになります。
カスタムパーツもかなり豊富で、セパレートハンドル、タンク、シート、バックステップ、マフラー、フェンダーなどなど、ポン付けパーツが多く存在していますから、比較的容易にカフェレーサーカスタムを施すことができるお勧めの一台です。
デメリットとしては、「ああ、SRね。うん。良く見るよね。」というような感想を持たれがちという所でしょうか。
SR用のパーツが多く発売されていることから、400ccカフェレーサー = SR のようになってしまいっていますから、差別化をいかに出来るかがポイントです。
W400

後述のW650の小排気量版W400です。
W400には、W650, W800の外装パーツが使用できるようで、カスタムパーツの種類としてはかなり豊富ですので、カスタムしやすい点がメリットですね。エンジンの見た目がゴツゴツしくてカッコいいです。
若干車体価格が高めという点、SRと比べると玉数が少ない点(2006年発売で2008年生産終了…)という点がデメリットです。
GB250 クラブマン
引用元:アジト・カスタムバイク(http://ajito.tuzikaze.com/photo/bike/bike.html)
1983年~1997年まで製造、販売されたホンダのクラシックな見た目のマシンです。本記事執筆時の2017年からすると、既に最終型が発売されて20年経過するバイクなんですね…今でも街でたまに見かけます。
このバイクもSR400と同様、タンクが純正の時点でロング&細めにしてクラシカルな見た目ということで、カフェレーサーのベースとしてかなり適しています。
実際に、この機体をベースとしてカフェレーサーにしている方もネットの画像を見ると結構居るようです。
この車両をベースとした場合のデメリットは、SRと比べた場合のパーツの少なさと、車両の維持です。
SRと比べるとアフターパーツは少ないですし、また、前述の通り最終製造から20年が経過するマシンですので維持が大変になっています。ヤフオクなどでも一部パーツは値上がりしています。
エストレヤ250
引用元:WM公式(http://www.wmpdt.co.jp/kawasaki/estrella/tank/tank.html)
1992年から発売され、2017年までKawasakiから発売されたクラシカルなバイクです。そうなんです。2017年をもって、排ガス規制関連の色々により(?)製造終了となりました。
2017年現在、街中でも中古バイク販売サイトでも良く見かけるマシンです。
玉数が多いため、生産終了とはなったものの良質なベース車両を手に入れやすいというメリット、アフターパーツもそこそこ存在するというメリットがあげられます。
デメリットとしては、SRと比べると、現行車種ラインナップから外れた点、アフターパーツが少し少ない点などが挙げられます。が、250ccクラスのベースとしてはかなりオススメです。
私の友人もエストレヤをカスタムベースにカフェレーサーを製作していました。下記記事にまとまっています。
250TR

2002年から2013年まで発売されていたKAWASAKIのオンロードバイクです。前述のエストレヤと一部共通パーツがあるとか無いとか。
一見すると、エストレヤの方がクラシカルな雰囲気が出ておりカフェレーサーベースとしては良いと思われがちですが、250TRの方がフレームがフラットで、実はエストレヤよりも250TRの方がベースとして向いているかもしれません。(ネットの声&友人(エストレヤカフェをやめて250TRでカフェカスタム計画中)の声を参考に)
250TRは、エストレヤよりも流通台数が少ない、カスタムパーツもエストレヤよりは少ないという点はデメリットですが、前述の通りフレーム形状はカスタムを進めていく上では若干有利、という感じです。
ST250

SRやエストレヤなどと比べると、走っている姿をあまり見かけることのないST250です。2003年から2017年の排ガス規制を迎えるまでの14年程発売されていたようですが…
他の車種と比べるとカスタムパーツの種類が少ないため、ST250をオリジナルのカフェレーサーに仕上げるのはハードルが高いかもしれません。
しかし、スズキさんが純正で「ST250 E type Cカスタマイズ」というセパハン&バックステップ&フロントカウル&シングルシートというカフェレーサースタイルの機体を発売(100台限定ですが)していますので、メーカー純正のカフェレーサーを手に入れることができます。
自分自身で1からカフェレーサーをビルドしたい!という方には向いていないかもしれません…
グラストラッカー
(追記予定)
GN125
筆者である私も保有してカフェレーサーカスタムしています。
このバイクは、もともと1980年代に発売された実際クラシカルなバイクなのですが、近年中国でGN125H, GN125-2F等の車両が発売され(設計は当時のままで製造が中国という具合です)、それが日本にも逆輸入という形で輸入され、街中でもよく見かけるようになった、という経緯のバイクです。
このバイクは、グラストラッカーやボルティといった国産車のパーツを一部流用できるというメリットがありますので、それら車種向けのパーツを使用できる可能性がある点と、比較的車両価格が安価である点から、カスタムベースとしてはオススメです。
ただし、フレーム形状(シート部分)が平坦ではないため、シートの装着には苦労します。ワンオフか、他車種の流用を考えるしかないです…この点は大きなデメリットですね…
このカフェレーサーカスタム車両に関しては下記にまとまっています。
他に、カフェレーサーにするために施したカスタムは下記に記事としてまとめてあります。
CG125
ホンダの輸出用のCG125です。
近年、中国で人気となっているようで、中国本土のネットショッピングサイトでは、この期待向けのカスタムパーツがよく発売されています。
海外のカフェレーサーカスタムサイトでは、CG125がベースとなっているものも多く見かけます。
理由としては、車両自体が比較的入手し易い点に加え、シートフレーム形状がとてもフラットで、フレームカット&溶接無しでもフラットなフレームを手に入れられる点が挙げられます。
YB125SP
(追記予定)
401cc~(大型バイク以上)
CB1100
引用元:Lowrence(https://lrnc.cc/_ct/16806437)
大型バイクのベース車両としては、かなりメジャーな機体となっています。
純正の段階で、大型バイクとしては比較的クラシカルな見た目に近いという点と、空冷であることからシンプルめな構造というところがカフェレーサーベースとして支持されているのでしょうか。
特に海外のサイトで、カフェレーサーベースとしてCBシリーズがオススメされているため、CB1100も漏れず人気となっています。
XSR900


2016年にYAMAHAから発売された、MT-09の兄弟車です。
もう見た目がカフェレーサー感モリモリです。古きよきカフェレーサーというよりも、ネオカフェという感じですが。
写真1枚目はXSR900純正です。ハンドルだけ変えればもうカフェレーサーっぽいですよね。
写真2枚目はXSR900 Abarthで、アバルトとのコラボ版です(詳しくはこちら)。はい。質感高くとてもかっこ良い仕上がりになっていますね。惚れます。
日本ではXSRをガチガチのカフェレーサーにカスタムしている方は今の所(2018年3月時点)ではいないようですが、海外では散見されます。こちらやこちらなど。
W650/W800
引用元:MotoRide(http://www.bikebros.co.jp/vb/sports/spc/spc-sr05/)
W650/800がもともとクラシカルなスタイルということで、やはりカフェレーサーベースとして人気があります。
タンクやシート、バックステップやマフラーなどのアフターパーツも数多く、比較的カスタムし易いという所が人気の理由だと思います。
XS650
(追記予定)
カフェレーサーにカスタムする際のポイント
海外の有名サイト、BikeExifに掲載され人気となっているHow To Build A Cafe Racerでは、カフェレーサーカスタムするにあたって気をつけるべき点の10つが記載されています。
確かに重要だよな…と共感した意識すべき点を抜粋させていただきます。
真横から見た時、横一直線であること(タイヤも前後同一のサイズが望ましい)
引用元:BikeExif(How To Build A Cafe Racer)
前後ホイールのセンターより内側に全ての物が詰まっていること
引用元:BikeExif(How To Build A Cafe Racer)
タンクが最大高さとなるように各パーツを配置すること
引用元:BikeExif(How To Build A Cafe Racer)
重量物に見えるものはタンク下に収まっていること
引用元:BikeExif(How To Build A Cafe Racer)
他にも、タンクからテールにかけてのラインを意識すること、や、フォークの角度とリア側サブフレームの角度を合わせること、などとありますが、それは完全にビルダー向けのもので、通常のユーザが実現するのは困難だと思ったので割愛しました。
また、それらは必ずしも超重要なことだとは思えなかったので(ネットのカッコいいとされるカフェレーサーの画像を見る限り)、とりあえずは上記を意識すればカッコいいマシンになると思います。
おわりに
今回は、カフェレーサーについてまとめてみました。
明確な定義はありませんが、ローなハンドル/ナローなタンク/クラシカルなスタイルを持つバイクがカフェレーサーと呼ばれ、現代でも数多くの人たちがカフェレーサーを目指してカスタムを行っています。
カフェレーサーカスタムをする上では、やはり第一にベース車両の選定がとても大事ですので、自身にあったカスタム車両を選び、先人たちのカスタムポイントを参考にしてカッコいい自分だけのマシンを作りましょう!
今回は以上です。